伊東潤（作家）が完全解説「血が滴っているアルバム『会心の背信』」

2022年6月10日（金）に全国発売された頭脳警察のニューアルバム『会心の背信』。
これはコロナ禍が激しさを増す2020年9月26日、長野にて配信されたライブを収録、再MIXした作品だ。
当日のライブはコロナ禍のため会場開催は中止。そこで配信をあえて現地長野に出向き決行。
度重なるトラブルに見舞われながら、極限の緊張感の中で行なわれた。

結成から53年を経たPANTAと石塚俊明の二人の頭脳警察、そして現在バンドに参加する澤竜次が加わったソリッドかつタイトな演奏を堪能できる。
結成時から最近作まで50年を超えるその歴史を振り返る集大成ともいえるアルバムを、PANTAの盟友である作家・伊東潤が解説する。

「血が滴っているアルバム『会心の背信』」/ 伊東潤（作家）

2022年に頭脳警察がいる。この喜びを私たちは何と表現したらよいのだろう。
1969年の結成から実に53年。頭脳警察は平和ボケの日本人に活を入れるべく最前線に立ち続けた。その53年間は、ロックの持つ根源的な意味を問い続ける闘争でもあった。
一時は活動を停止することもあった。パンタさんとトシさんが喧嘩別れしたこともあった。だが今、こうして二人がそろい、名うての若手が支える態勢が整い、頭脳警察は日本のロックの最前線に立ち続けている。これは奇跡以外の何物でもない。

十五歳の時、今はなき横浜野外音楽堂にスージー・クワトロを見に行った。
それが私の初めてのライヴ体験だった。当時のスージーの人気はすさまじく、少年の私にとって、ロックとアイドルが同時に楽しめるという申し分のないイベントだった。ところが何の事情も知らない私が「スージーちゃんまだかな」と胸を高鳴らせていると、長髪で不愛想な日本人たちが現れた。彼らは勝手に楽器をいじり始めた。最初は係員（当時はローディという言葉さえない）の人たちが楽器を調整しているのかと思ったが、突然彼らが演奏を始めたのだ。その音の大きさは、まさに脳髄を直撃するという表現がぴったりだった。すると、黒ずくめの痩せた男が飛び出してきて、鋭利な刃物のような声で歌い始めた。もはや衝撃どころではない。その瞬間から、ロックは私の頭の中で常に鳴り響いている。その時のバンドこそ、この日のイベントの第一部を担ったパンタ&セカンドだった。

その後、約40年の歳月を隔て、2018年のあるイベントでパンタさんとご一緒する機会があり、それから友人のような付き合いが始まった。生きる伝説と話をすることができ、まさに感無量という言葉しかない。

そんなパンタさんが病魔に侵されたと聞いたのは、2021年の秋のことだった。早速会わせていただき、元気な姿を見て一安心したのだが、コロナ禍もあって、予定していたライヴ活動は思うに任せず、パンタさんは少し寂しそうだった。

それから数カ月ほどして、頭脳警察がニューアルバム制作のためにスタジオに入ったと聞いた。そして出来上がった音源も、アルバムの発売に先んじて聴かせていただいた。

最初の一曲目『世界革命戦争宣言』を聴いた時、私の脳裏に横浜野音の衝撃がよみがえった。この曲はデビューアルバム『頭脳警察1』に収録された曲の新録だが、今でも血が滴っているような鮮烈さがある。ほかの楽曲もおなじみの代表曲の新録だが、この力強さは何なのだろう。鬼気迫るパンタさんのボーカルに、焼けつくような即興演奏で応じるトシさん。そして澤君の切り裂くような切れ味のギター。その魂を揺さぶるようなアンサンブルに圧倒される。これがロックなのだ。それは次の世代、さらに次の世代へと伝えていくべき文化遺産でもある。

2022年、いまだ頭脳警察は最前線に立ち続けている。それを1969年に予期した者はいただろうか。でも今、間違いなく頭脳警察はいる。その喜びを噛み締めつつ、私は再び一曲目の『世界革命戦争宣言』に戻っていった。

【伊東潤 プロフィール】
1960年、神奈川県横浜市生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。日本アイビーエム株式会社を経た後、外資系企業のマネジメントを歴任。2003年にコンサルタントに転じて2006年に株式会社クエーサー・マネジメントを設立。2007年、『武田家滅亡』（角川書店）でメジャー・デビュー。2010年に専業作家となって今に至る。

頭脳警察「会心の背信」
PANTA TOSHI
澤竜次

『頭脳警察「背信」LIVE 2020 in 長野 背信』
2020年9月26日(土) 長野市MISSTONES

PANTA頭脳警察オフィシャルショップ　https://brainpolice002.stores.jp/items/6275f5617d1161590751f3e2

収録曲
１世界革命戦争宣言
２赤軍兵士の詩
３銃をとれ
４ふざけるんじゃねえよ 
５風の旅団
６戦士のバラード
７万物流転
８雨ざらしの文明
９戦慄のプレリュード
10オリオン頌歌
11絶景かな
12落ち葉のささやき
13さようなら世界夫人よ

Stuff
Directed by 田原章雄
Recording & Mixing Engineered by 鈴木正人
Designed by 三崎 了
Event stuff 石田三紀 近藤新
Instrumental technician 亀山貴之 土屋康博
Recorded at 長野MISSTONE
Mixed at スタジオmove705
Photo：

企画製作：ROCKET PUNCH.LLC
発売：BRAINPOLICE UNION

頭脳警察 最新アルバム「会心の背信」6月10日発売、オフィシャルショップ先行予約販売開始！

皆様、お元気でお過ごしでしょうか？
PANTAも6月5日、皆様にご挨拶が出来るよう治療に専念しています。
また、記憶に残るライブになるようにメンバー一同前向きに頑張っております。

さて、６月10日発売の頭腦警察最新アルバム「会心の背信」のPANTA頭腦警察オフィシャルショップでの先行予約発売を本日より開始いたします。
この「会心の背信」はPANTAをして「頭脳警察が今できる全てが詰まった最高の出来だ！」と言わしめた傑作です！
荒々しいサウンドは結成以来50年の時を経ても変わらないPANTAと石塚俊明の全てを知らしめるものです。
本日よりオフィシャルショップにてご購入いただき、入金の確認が取れ納品後すぐに送品を開始いたします。
PANTAの治癒後、新たに始まる頭脳警察の奇跡の幕開けを告げる最高傑作ライブアルバム「会心の背信」にご期待ください！

購入先 PANTA頭脳警察オフィシャルショップ
https://brainpolice002.stores.jp/items/6275f5617d1161590751f3e2

頭腦警察 最新アルバム「会心の背信」
価格：3300円（税込）
発売：2022年6月10日

頭脳警察の新たな伝説の幕が切って下される！
頭腦警察＝PANTA、石塚俊明、サポート澤竜次が2020年９月26日に行った頭腦警察のシークレット配信ライブを全13曲収録。

この日は長野市内のライブハウスにて久々に頭脳警察のライブが行われる予定だった。ところが折からのコロナ禍により予定されていたライブハウスが閉鎖。急遽ライブ配信が決定。都内でのスタジオライブ配信の準備を進める中でPANTAより「長野へ行こう！あえて現地から配信しようじゃないか」と提案があり、急遽現地スタッフと連携を取り新たにライブハウスを貸し切り完全シークレットライブにて配信を行うことが決定。サポートに澤竜次を配し、二人にしか作りあげられない頭腦警察ワールドが炸裂した。セットリストも革命三部作から最近作「絶景かな」まで頭腦警察50年の歴史を彩る名曲ばかり13曲。
急ごしらえで設備もままならず、まるで学園祭のような雰囲気は1990年同志社大学で行われたライブの様。奇しくもPANTAのギターはグレコのセミアコレスポール。その日と同じギターだった。
このライブは50周年を迎えバンド活動が中心となった頭腦警察がイベントとしては2019年６月29日の大槻ケンヂ＆ROLLY「渋谷歌の日」のゲスト、本格的ライブとしては2019年４月21日Earth Day Tokyo 2019 （おおくぼけいサポート）以来となるPANTA＆石塚俊明の頭腦警察ライブ。コロナ禍に入りライブ活動が制限されている現在、二人による頭腦警察ライブはそれ以降おこなわれていない。

荒削りで猛々しいその演奏はまさに頭腦警察の原点。
聞き逃せば悔いが残ります。
是非、ご視聴ください。

頭脳警察
PANTA 石塚俊明
澤竜次

『頭脳警察「背信」LIVE 2020 in 長野 背信』
2020年9月26日(土) 長野市MISSTONES

収録曲
１世界革命戦争宣言
２赤軍兵士の詩
３銃をとれ
４ふざけるんじゃねえよ
５風の旅団
６戦士のバラード
７万物流転
８雨ざらしの文明
９戦慄のプレリュード
10オリオン頌歌
11絶景かな
12落ち葉のささやき
13さようなら世界夫人よ

写真・ジョニー寺坂　デザイン・三崎了

頭脳警察ゲストボーカルに仲野茂（亜無亜危異）参加！６月5日「会心の背信」発売記念PANTA応援ライブ「P-FES VOL.1」開催決定！

皆様にはPANTAの長期療養においてご心配をお掛けしております。
当初6月ライブ活動復帰を目座して治療に専念して参りましたが残念ながら及ばず、更なる休養と治療が必要となっております。
PANTAにおいては数々の文筆活動において皆様に発信をおこなっております。
しかしながら無双無比の頭脳警察の音に浸りたい方も多いと思います。

そこで6月5日（日）渋谷Lamamaにて、頭脳警察NEWアルバム「会心の背信」発売を期にゲストボーカルに仲野茂を迎えた頭脳警察Xとしてライブを行うことが決定いたしました。

BRAINPOLICE UNION（みやすこんぶ、おおくぼけいユニット、FAIRY BRENDA 以上予定）、空に油、頭腦警察若手メンバーによるZUNOmonoも参加しPANTA療養応援の一大フェスとなります。

互いを認め合うPANTAと仲野茂。
日本ROCK最高のボーカリストである二人。
その仲野茂が頭腦警察に参加！
頭腦警察と仲野茂が交差する二度と無い瞬間をお見逃し無く。

夕刊フジ・ロックで若いエネルギー爆発させたBRAINPOLICE UNIONのバンド達。
今回は「空に油」（鬼怒無月、ヤヒロトモヒロ、宮田岳）が初参加。
頭腦警察の手のものなる若手メンバーZUNOmonoの熱演にもご期待ください。
最後にPANTAより皆さんにご挨拶を申し上げます（※当日の体調によりますことをご了承ください）。そして当日、PANTAによる奇跡は起こるのか！？

ライブタイトルはPANTA療養応援ライブ「P-FES VOL.1」です。

また、ご参加の際は当日、PANTAへの応援メッセージをお手紙にてお書きいただきお持ちいただけると幸いです。
PANTAの復帰を願い皆さんの熱い応援をお願いいたします。

一般チケット 5000円
【渋谷lamama】
渋谷 La mama 担当石塚まで
090-1555-5329
lamama.ticket@gmail.com
【ローソンチケット】
Lコード：71956
販売ページ：http://l-tike.com/order/?gLcode=71956
入場順はFC→ローソンチケット→メール予約

配信チケット　2500円
ツイキャス
https://twitcasting.tv/c:shibuya_lamama/shopcart/145520?fbclid=IwAR3SMdRTM0moDGql0cxJYMoCxmLohLx1QN367gXqC72TS2n7ArJ_h_mXQzY

６月５日（日） PANTA応援ライブ「P-FES 」VOL.1概要

出演(予定）：
・頭腦警察X
ゲストボーカル 仲野茂（亜無亜危異）
(石塚俊明/澤竜次/ 宮田岳/ 樋口素之助 /おおくぼけい）
・ZUNOmono
(澤竜次/ 宮田岳/ 樋口素之助/ おおくぼけい)
・みやすこんぶ
(宮田岳＆樋口素之助＆竹内理恵)
・おおくぼけいユニット
(おおくぼけい＆more)
・ 空に油 (鬼怒無月 /ヤヒロトモヒロ / 宮田岳）
・ FAIRY BRENDA
（澤竜次/西山達朗/大谷ペン）
・ PANTA 当日、ご挨拶を予定（※体調によりますことをご了承ください）　　　　　

日程：　202２年 ６月 ５日（土）
　　　　14時30分開場/ 15時00分時開演
場所：　渋谷 La mama
　　　〔 03-3464-0801 ／ 渋谷区道玄坂1-15-3プリメーラ道玄坂B1 〕
入場料：会場視聴（人数限定）　5,000円
　　　　※全自由／入場整理番号付。
　　　　※当日1drink700円or2drink1000円が別途かかります。
チケット販売

配信視聴：2,500円（ツイキャスプレミア配信）
　　　　　※配信サイト・チケットは後日発表いたします
内容：
1.みやすこんぶライブ
2.おおくぼけいユニット
3.FAIRYBRENDA
4.空に油
休憩
5.ZUNOmono
6.頭腦警察X仲野茂
7.PANTA挨拶

問い合わせ先：
渋谷 La mama 担当石塚まで
090-1555-5329
lamama.ticket@gmail.com

名義　主催：渋谷 La mama
　　　企画/制作：ロケットパンチ