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LIVE REPORT

エンケン、ありがとう! 「生誕71年 エンケン祭り ~追悼・遠藤賢司~」に頭脳警察が登場

2018年2月12日 ライブレポート, 頭脳警察レポート

遠藤賢司が旅立ってからおよそ3ヶ月、追悼と生誕71年を兼ねて今年も「エンケン祭り」が開かれた。会場となった渋谷クラブクアトロはスタンディングの観客で超満員、開演後に開放されたロビーには祭壇と展示スペースが設けられ、こちらにも多くのファンが詰めかけた。

PANTA、TOSHIとエンケンとの交流は70年代初頭にまで遡る。とくにTOSHIは1972年のアルバム『嘆きのウクレレ』収録の「プンプンプン」にコンガで参加し、1991年の再結成頭脳警察「自爆」直後にはエンケンバンドに正式加入、以後26年に亘ってエンケンと行動を共にしたのだった。

この日のステージには縁のミュージシャンが次々と登場し、思い出を語り歌ったのだが、『ちゃんとやれ!えんけん!』というアルバム名ではないが、誰もが「ちゃんとやる」ことでしかエンケンには届かないと思っていたような、渾身の演奏が続いたのである。

例を挙げれば大友良英が「夜汽車のブルース」のつもりで演る、と言って轟かせたノイズ・ギターの喧しさと優しさはまさにエンケンの両極を現わしていたし、山本恭司が奏でる「夢よ叫べ」はエンケンのメロディーの美しさを増幅させていた。また湯川潮音がギターを抱え、藤原マヒトのアコーディオンと徳澤青弦のチェロを従えて歌った「裸の王様」は、エンケンへの思いを抑えようとしても溢れ出てくるような、美しさと力強さを併せもった出色の出来となっていたのである。600

そしてライヴが中盤に差しかかった頃、ステージにコンガがセットされ、TOSHIが姿を見せる。少し遅れてPANTAが現れ、一言のMCも無くギターをかき鳴らすと続けてTOSHIがコンガを打ち鳴らす。告知では「PANTA」「石塚俊明」としかクレジットされていなかったが、「頭脳警察」の登場だ。ライトが赤くふたりを照らす中、「銃をとれ!」。最近では珍しくTOSHIが立ったまま手数も多くコンガを叩き、PANTAのギターはかなりラフだ。エンケンと出会った頃のふたりはこんな感じだったのだろうか、と思わせる。会場の温度を上げたまま、続けざまに「さようなら世界夫人よ」。TOSHIのコンガが自在に踊り、PANTAの声も次第に熱を帯びていく。歌い終わるやPANTAが「どうもありがとう。石塚俊明、頭脳警察でした。エンケン、ありがとう!」と言い残し、あっという間に退場したのも実に彼ららしい餞となった。

頭脳警察の後もエンケンと同じ時代を生きたミュージシャンが続く。あがた森魚の「冬のサナトリウム」という選曲に意味深いものを感じ、鈴木慶一の「塀の上で」と「雨上がりのビル街」のマッシュアップに驚かされ、湯川トーベンと森信行を伴った鈴木茂のエンケンとは真逆の端正なフィードバックに唸り、息つく暇もない。更には細野晴臣まで登場し、エンケンから貰い受けた猫の歌である「寝図美よこれが太平洋だ」を披露し会場の暖かい拍手を浴びていた。遠藤兄弟の弟、遠藤ミチロウは「夜汽車のブルース」の間に「おやすみ」を挟み込む荒業でやはりエンケンの静と動を体現したのである。

ここで飛び入りゲスト、シーナ&ロケッツがステージに上がると会場がどよめく(どうやらPANTAの仲立ちで急遽出演が実現したようだ)。鮎川誠が昨年NHKに出演した際にエンケンからメールが届いたというエピソードを披露し、そのラジオでも歌った「ホラ吹きイナズマ」をブチかます。この日いちばんと言っていい盛り上がりの中、鮎川が「エンケンさん!天国と地上で、ロックでつながっとるけんね!」と語りかけると万雷の拍手が巻き起こった。

本編最後を任されたのはフラワーカンパニーズ。昨年のエンケン祭りでエンケンと共演した「東京ワッショイ」のことを客も覚えていたのか、メンバーが引っ込んでもワッショイ・コールが止まず、そのままアンコールへ突入する。

エンケンバンドの湯川トーベンと石塚俊明、そして鈴木茂、フラカン竹安という布陣で「不滅の男」が始まった。鈴木茂のイントロに続いてトシの雷のようなドラムが響き渡る。トーベンが歌い、山本恭司がギターで加わる。2番はミチロウが歌い、そして出演者全員がステージに雪崩れ込んできたとき、46年振りに和解したPANTAと細野が手に手をとって現れたのである。

3番はPANTAが歌い、口上、四股とエンケンに倣ってお約束が続く。トーベンが中空を見上げて「遠藤賢司!」と叫ぶと会場からも「エンケン!」と合いの手が入った。演奏が終わるとトーベンが出演者、招待したゲストを紹介して大団円。出演者がステージから退場する中、トシがトーベンを呼び止め、改めて「エンケンバンド、ありがとうございました」と挨拶してようやく大きな句読点が打たれたのである。

そして誰もいなくなったステージにアコギとマイクがセットされ、「夢よ叫べ」のライヴ音源が流される。じっと聴き入る観客、そして曲が終わり、音源の拍手と客席からの拍手が入り混じる中、場内が明るくなっていったのであった。

2018年1月31日 渋谷・クラブクアトロ
「生誕71年 エンケン祭り ~追悼・遠藤賢司~」
細野晴臣・鈴木茂・鈴木慶一・あがた森魚・ PANTA・石塚俊明・湯川トーベン・遠藤ミチロウ・大友良英・山本恭司・佐野史郎・原マスミ・大槻ケンヂ・曽我部恵一・フラワーカンパニーズ・湯川潮音・森信行・藤原マヒト・徳澤青弦・シーナ&ロケッツ(飛び入り)

<頭脳警察[PANTA(vo,g)・TOSHI(conga)]>
・銃をとれ!
・さようなら世界夫人よ

<エンケンバンド[石塚俊明(dr),・湯川トーベン(b,vo)]・鈴木茂(g)・竹安堅一(g)・山本恭司(g)・遠藤ミチロウ(vo)・PANTA(vo)>
・不滅の男(アンコール)

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