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COLUMN

近況・その11 (2004年12月)

2017年11月17日 近況

先日、ニッポン放送の“テリー伊藤の乗ってけラジオ”に電話出演した。

 コーナーのタイトルは、−あの名曲の舞台を探せ−『のってけ歌謡Gメン』というものだったのだが、石川セリの“ムーンライトサーファー”に関しての質問で、最初に来たFAX&メールに対して、オレの答えはこうだった。

Q1 歌詞の中の海はどこの海ですか?/そして季節は?

P: 聴いているリスナーの方が思い描いた海です。季節もリスナーの方が感じた季節です。ちなみに個人的には、海というと、つい大好きな葉山の長者が崎を思い描いてしまいますが・・・(笑)

Q2 サーファーの彼(夫?)は、どんな男性なのですか?/地元のサーファーなのですか?

P: リスナーの想った男性です

Q3 彼女(妻?)はどんな女性ですか?/彼女も地元の人ですか?

P: これもリスナー自身かもしれないし、想像したものが正解です。

Q4 “星を探すの、あなたの星を”と歌詞にありますが、彼氏(夫?)は、海でサーフィンをしていて亡くなられたのですか?

P: それぞれの人に出会いと別れが待ち受けています。それを作者が提示するのはヤボというものでしょう。

Q5 なぜサーファーをテーマに曲を作ろうと思われたのですか?

P: 日本の波は小さいですよね。世界には想像を絶する大波が荒れ狂うところもあります。津波から大波小波、漣(さざなみ)にいたるまで、波にもいろいろあります。

   不器用に、時には押し流されもしますし、大波に器用に乗る奴もいれば、波打ち際で足元をすくわれるものもいます。

小さな波を命がけで乗り切ろうとしている人もいれば、大きな波の上で、笑顔で手を振る人もいる。

   それをとかく人は運命と位置づける人もいれば、世渡り上手と揶揄したりするものですよね。すでにトレンドになっていたのか、この曲の後に目立つようになったのかはわかりませんが、原宿あたりでも、車の屋根のキャリアーにサーフボードをビス止めして(笑)、やりもしないのに、自分はサーファーだとカッコつける通称“陸(おか)サーファー”なるものが出現していました。

   それほどサーファーというのが、カッコいい存在として認知されてきていたのでしょう。

当時、オレは頭脳警察を解散して、ソロアルバムのレコーディング中でした。

   その時に、石川セリさんの曲の依頼を受け、セリと言えば、当然、オレの頭の中に、あの名曲“八月の濡れた砂”が浮かんだのは無理ないことでしょう。

   歌詞の中の“打ち上げられたヨットのように〜♪”というところに、打ち上げらるんだから、大型クルーザーではないし、二人乗りのディンギーだったらキールが船底についているわけだから打ち上げられないし、オレだったら“打ち上げられたボートのように〜♪”ってするけどなぁ〜(笑)などと思いながら、やっぱり石川セリ→海というイメージが根強くありました。

レコーディングが終わり、サザンオールスターズを発掘&育て上げた当時のオレのディレクターと一緒に帰るときに、「いま石川セリに“ムーンライトサーファー”というイメージタイトルで曲を書こうと思ってる」と会話した覚えがあります。

   後に、サザンの桑田クンが監督した映画“稲村ジェーン”に伊武雅刀さん、草刈正雄さんとともに三人の伝説のサーファーとして出演したのですが、その撮影の時に、桑田クンが「PANTAさん、ちょっと来て来てっ」というので、現場に行ってみると、大きなサーフボードが立てかけてありました。

その上のほうに黄色く大きな文字で“PANTA”と書かれていたので、

「おいおい、これはまずいんじゃないのかい?」と、言ったところ、

「いや、この上のところは画面から切れるので、入らないから大丈夫!」と言っていたのだが、いざ出来上がってみると、思い切り画面に大写しになっていたので、ひっくり返ってしまった記憶があります。

   “ムーンライトサーファー”の”黄色いイニシャル〜サーフボード♪”という箇所を、桑田クンの一流の茶目っ気がなした洒落ということなんでしょう。

   

Q6 中村さん自身、サーフィンをなさるのですか?(注:この曲のクレジットは中村治雄としてあるので)

P: 中村さんと言われるのには慣れてないので、PANTAで結構ですが、ネットサーフィンくらいしかやりません(笑)。

   前述した“稲村ジェーン”に桑田クンから誘われたとき、「PANTAさん、サーフィン出来る?」と、聞かれたので、

「バカヤロ、所沢の生まれだい、スケボーだって乗れネェやいっ!ところでサーフィンのシーンあるの?」

「いや、ない」と答えられたので、出演OKとなった次第です(笑)

Q7 レコーディング等で、印象的なエピソードがありましたら教えてください。

P: “Surfer in the moonlight(moonlight)moonlight”のカッコの部分はコーラスでやるつもりだったのですが、ちょっと現場を離れているときに、セリが自分で歌ってしまったので、これをカラオケで、ひとりで全部、唄おうと思う人は窒息してしまうので、注意してください、当方は責任を負いかねます(笑)

と、ちょっとイヤミに取られても致し方ないような答え方をしてしまったのですが、このメールの後で、こう付け加えました。

前半の部分の補足説明を少しさせてください。例えば、ある種の映画のように、観ている観客が同じ思いで楽しんで帰るというのと違って、音楽というのは100人聴いている人がいれば、100通りの絵がその人達の頭の中に描き出されます。

 それはその人の生まれ育った環境なり、経験なり、聞いている時間、場所、状況、そして抱えている問題なり悩みなりによって、その絵は、その人なりに全然違ってきます。

 ですから、いろいろとインタビューなどされて、この曲はどういう気持ちで作ったのですか?とか、この曲は何を言おうとしているのですか?などという質問には、リスナーのイメージを狭めてしまうことになってしまって、逆サービスとなってしまうので、語彙の説明はいくらでもしますが、格好つけてるわけでなく、聴いたあなたが思ったものが正解です、と答えるようにしています。

 曲は歌にして、マイクからスピーカーを通してリスナーの耳に届いたときには、すでにその曲は歌手のものではなく、ましてや作り手のものでもなく、その時点でリスナーのものになってしまっているからです。

 ですから、こういうメッセージを込めてこの曲を書きましたなどというアーティスト?の答えなどを聞いていると、バカじゃねぇのと思ってしまいます。

 そんなの歌を聴いてりゃわかるでしょ、説明しなきゃわかってもらえないんだったら、そんな曲作るなよと思ってしまうのが正直なところです。

この歌を額面通り受け取って、夏の定番と聴く人もいるでしょうし、ふたりの出会いから紆余曲折の恋の波、そしてやっとふたりで恋の波に乗れたのに、思ってもいなかった別れ・・というふたりの生き方の断片と取る人もいるでしょう。

 決してからかって答えているわけではありませんので、その点、ご理解いただいて、ご容赦願います。

・・・・というメールを返信しました。

この番組のこのコーナーは、前述したようにその名曲の舞台を捜索する『のってけ歌謡Gメン』というコーナーで、普通は、その質問の答えを、読み上げるというものらしいのです。決してスタッフを困らせる意図なんぞなかったのですが、オレがこんなカタい答えを返してしまったので、結局、電話で出演して自分で話してください、ということになってしまったわけです。

 テリー伊藤さんとは、いつかお話したいと思っていたので、ほんの僅かの間でしたけれども会話できて嬉しかったです。

 加えて、いま台風が近づいていますよね・・それは戦後、60年という大きな台風かもしれません・・・ということも付け足すことも出来ました。

 せっかく“ムーンライトサーファー”を取り上げてくれた昼間の娯楽番組に、こんなお堅い屁理屈を並べてしまって、ニッポン放送のスタッフには本当に世話を焼かせてしまったと思ってます。

 だからオレって使いづらいよなぁ・・・♪(苦笑)

(2004年12月)

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